これ私じゃ判断できないんで、会社戻って確認してまたご連絡します!
この言葉がよく飛び交います。
一見しっかりしているように見えてイマイチです。
この打ち合わせの時間が無駄だったとも言えます。
僕はこの人を伝言ゲームマンと呼んでいます。
この伝言ゲームマンは、
取引先も不快にするし、社内の上司も不快にするので
自分が当てはまらないかよく確認してください。
例えば、値下げ交渉の場面です。
部下が打ち合わせに行っていて、
会社としては基本値下げはしないようにと伝えているとします。
顧客からほとんど導入したいんだけど、
ちょっと割引してもらえますか。
と部下が先方から言われたとします。
このとき伝言ゲームマンになるか打ち合わせマンになるかの
運命の分かれ道があります。
これほど意識一つで結果が異なるかと言うくらいに。
ちゃんと打ち合わせする人しない人の分かれ道
あなたならどう返しますか?
多くの人は伝言ゲームマンになっていると思います。
伝言ゲームマンの場合:
先方「ほとんど導入したいんだけど、ちょっと割引してもらえますか。」
弊社担当「わかりました!ありがとうございます。
お値引きについては前向きに検討させていただきます。
私での一存では判断できませんので、いったん持ち帰らせていただいて
後ほどご連絡させていただきます!」
これ、ありますよね、
よっぽど新入社員なら仕方ないですが、
ある程度権限与えられている人がこれでは
ここから上司と先方に迷惑をかけなければいけません。
この後の展開としては、
会社に帰って、上司に
値引きして欲しいと言われたんですが、
可能ですかね、どのくらいまでいけますかね。
と相談します。
ここから伝言ゲームマンの本領発揮です笑
上司は当然先方の温度感がわからないので、
どのくらい値引きすればいいかわかりません。
これは本来当人同士の探り合いの中から妥協点が見えてくるものですから。
どのくらい値引きしたらいけそうだった?と部下に聞きます。
部下は、いやーわかんないすね。と。
上司は値引きラインを確認するために
部下にこことここ先方に確認しといて、言います。
部下は先方に連絡して言われた点を先方に聞きます。
聞いたことを上司に伝えます。
こんなやりとりをしたのちに、
値引き額を決定してその後先方に伝えるのです。
この間になんなら、
部下は、伝言ゲーム面倒だから上司が直接聞いてくれたらいいのに、
とか、最悪の場合、
僕値引きする権限ないし上司が直接先方に連絡してくださいよ、
とかいいだします。
本人はその方が効率的で理にかなっていると思っています。
ただこれをやりだすと全件上司が交渉するのかって話になります。
じゃぁどうすればいいのか、
打ち合わせマンの場合:
先方「ほとんど導入したいんだけど、ちょっと割引してもらえますか。」
弊社担当「わかりました!ありがとうございます。
どのくらいをご希望でしょうか、
例えば・・・3万円程度のお値引きでいかがでしょうか」
先方「5万円でどうでしょうか」
弊社担当「では間で4万円はいかがでしょうか」
先方「わかりました。」
弊社担当「基本はお値引きができないことになっていますので、4万円の値引きが可能かどうか確認し社内稟議を通してからまたご連絡差し上げます。
先方「よろしくお願いします。」
その後帰社して、
上司に、「先方は導入に前向きだが値引き条件をつけられました、
4万円程度の値引きで了承いただいているのですが可能でしょうか」
上司は、具体的な検討材料があるので判断しやすいです。
さらに、稟議okの場合は、値引きおっけいでしたと伝えた際に、
先方としては、値引きをこちらからお願いして、稟議の段階を経て、
最終値引きしてもらってるという恩のようなものも与えられるので、
これ以上の交渉もほとんど要らず確定見積もりになり受注しやすくなります。
2人の違い
どうでしょうか。
伝言ゲームマンと打ち合わせマンの違いがわかりますでしょうか。
値引きできますかと言う先方の言葉まではどちらも同じスタートラインです。
しかしながら伝言ゲームマンは上司にも先方にも迷惑をかけ、
打ち合わせマンは上司の負担はほぼなく上司は意思決定するだけ、
先方にも負担を与えるどころか恩を売っています。
伝言ゲームマンは自分の権限がないからといって、
最初から持ち帰りますと言って、持ち帰った後、先方と上司の伝言ゲームを行います。
打ち合わせマンは、権限はないにしろ具体的な交渉を行い合意をとっています。
最終は確かに上司や会社の決定を仰ぐ必要があるのですが、
同じ権限レベルを持っているにも関わらず
伝言ゲームマンはだからと言って丸投げで、
どうしたらいいですかという指示の仰ぎ方、
打ち合わせマンは具体的に先方と詰めてきた上で
これでいいですかという指示の仰ぎ方です。
打ち合わせは合意形成の場
打ち合わせに行っている時点で、
お話をただただ聞くだけとか、
言われたことを言うだけとか、
わからないことは持ち帰って伝言ゲームするだけとかではなく、
先方との合意形成をする場です。
先の例で伝言ゲームマンが
権限ないので持ち帰って確認しますと言った時点で、
その打ち合わせの時間は意味がなくなり、
その後帰った後の上司と先方の伝言ゲームをするのが本当の打ち合わせとなってしまいます。
これはもう上司も部下に打ち合わせに行かせず
自分が最初から行った方がいい状態になります。
部下が行った打ち合わせに意味がありません。
打ち合わせマンくらいの合意形成をして、
権限がないので、それでいいかの確認を上司にとる
という形が打ち合わせ力に求められます。
なんか打ち合わせに行くと、
自分の権限がないし
上司が直接行った方が早いのに
とか思ってるのであれば、
それはそもそもスタンスが間違いです。
伝言ゲームマンは上司にも先方にも迷惑をかけるので、
自分は権限がないからと逃げるのではなく、
主体的に先方と話して具体的に落とし込んで、
合意形成をとってください。
それがあなたの仕事です。