ビジネスパーソンなら誰もが聞いたとこのある言葉、「商談」。
せっかく商談の機会を得られたのに、ただ何となく話をして終わりではもったいないですよね。
今回は、いつも何となく行っている商談について、基本的な流れや成功につながるポイントをご紹介します。
商談とは
商談とは、顧客に対して自社の商品やサービスを紹介し、取引に関する交渉を行うことを言います。
商談は売り手側が主導して行うことが大半で、商談の中で、商品やサービスの特長、料金、サポート体制などを説明し、この商品を購入したら「どんなメリットがあるか」「どんな課題を解決できるか」を買い手側に伝え、購入・契約に結び付けます。
商談を行う目的は、買い手側に購入・契約の意思決定をしてもらうことだということを念頭に置いておく必要があります。 商談は、売り手と買い手が取引に関する交渉を行う場ですが、実はその前後もとても大切です。
それも踏まえたうえで商談の流れを見ていきましょう。
商談の大まかな流れ
以下が商談を行う際の大まかな流れです。
1,事前準備
2,名刺交換
3,アイスブレイク
4,自社紹介
5,ヒアリング
6,商品説明
7,クロージング
8,アフターフォロー
では、それぞれの工程でどのようなことがポイントになってくるのでしょうか。
事前準備のポイント
商談を行う第一歩として事前準備を行います。相手との直接のやり取りはありませんが、良い商談を作るためには事前準備をしっかり行うことが重要です。
ポイント1 相手の会社について知る
まずは相手の会社や相手の会社の業界動向について調べておきます。相手の会社のホームページを見るなどして、経営方針や事業内容、商品やサービス、会社の規模などを調べるのはもちろん、相手の会社の市場や業界動向について調べておくことで、様々な方向から話を進めていけます。
ポイント2 相手の会社の課題を予想する
相手の会社について知った後に相手の会社が抱えているであろう課題を予想します。相手の課題をあらかじめ予想しておくことで、相手の興味のありそうな商品やサービスの説明をする準備をしておくことができます。
名刺交換のポイント
営業担当にとって第一印象はとても大切です。清潔感のある身だしなみで明るい挨拶をし、名刺交換を行いましょう。
ポイント1 立って交換
商談室に通されたら、すぐに名刺を出せるように名刺入れを準備します。そして担当者が入室してきたらテーブル越しに名刺交換をしなくて良いように、名刺交換しやすい場所に移動します。
ポイント2 目下から差し出す
名刺交換は目下の人から差し出すのがマナーとされています。商談の場合、売り手側の自分から名刺を差し出すようにします。差し出すときには社名、部署名、氏名を名乗り、相手の名刺は名刺入れの上で受けるようにします。
ポイント3 もらった名刺は名刺入れの上に
交換した名刺はすぐに名刺入れにしまうのではなく、名刺入れの上に載せて机の上に置いておきます。商談が終る時に相手のタイミングに合わせてしまうようにします。
アイスブレイクのポイント
担当者と初めて会うという場合、お互いに緊張していることが考えられます。アイスブレイクとは、互いの緊張した雰囲気を和らげるための手段で、世間話などの雑談を行います。もしも相手に時間がない場合は省略しても構いません。
ポイント1 共通する話題を選ぶ
せっかく雑談をして緊張を和らげようというのに、お互いが共通して話せないような話題を選んでしまうと余計に緊張が高まります。アイスブレイクの話題は相手と共通して話せる話題を選ぶようにします。例えば、相手の会社の周りの店や業界のニュースを話題にする、相手の会社の雰囲気をほめるなども良いのではないでしょうか。
自社紹介のポイント
ポイント1 商談内容に合わせて自社の強みをアピール
自社の紹介は商談内容や相手の会社や興味に合わせて、商品やサービスができた背景や自社の強み、積み重ねてきた実績の何を紹介するのかを変えていきます。自社紹介で相手が欲しいと思っている商品やサービスの実績が豊富であることが分かれば相手に安心感を与えることができます。
ヒアリングのポイント
事前準備の段階で調べておいた情報や予想しておいた課題をもとにヒアリングを行います。もしも課題が予想と違っていても構いませんので、これを足掛かりに相手の課題、困りごとを聞き出していきます。
ポイント1 相手の話をよく聞く
まずは相手の課題、困りごとをしっかり聞きます。自分が一方的に話し続けてしまうと、相手は話し始めるタイミングをつかむことができず、相手の課題を聞き出すチャンスを逃してしまいます。基本的には聞き役に徹し、相手から課題や不安点、自社に何を期待しているのかを聞き出すようにします。
ポイント2 相手の課題を自分事化する
相手が抱えている課題に寄り添い、自分事化して課題解決にあたろうとすることが大切です。「相手の課題を自分ならどうやって解決するか」ということを考えることで、より具体的な提案ができるようになります。
商品説明のポイント
相手の困りごとや課題、自社に期待していることが明らかになったところで、それらを解決できる自社商品・サービスの説明を行います。
ポイント1 機能とメリットの説明はセットで
相手の課題を解決できる商品・サービスを説明していくわけですが、この時も相手の興味に合わせた説明を行います。商品の機能やサービス内容を説明した後、それが相手のどんな課題をどのように解決できるか、具体的な解決策も合わせて伝えるようにします。そうすることで、相手に利用場面のイメージをつかんでもらいやすくなります。
ポイント2 相手の不安を解消する
相手は「この商品で課題が解決できるか」「コストはどのくらいかかるのか」「効果は本当に適切か」など、様々な不安を抱えています。この不安を一つずつ解消していくことで商談を成功に導くことができるようになります。
クロージングのポイント
クロージングとは、商談の結論を出す、つまり購入や契約をするかやめておくかを決めてもらうためのアプローチのことです。
ポイント1 テストクロージングを行う
まだ購入することを決めていないのに、いきなり価格についての話を切り出されても相手は困惑してしまいます。価格の話に移る前に、「条件さえ合えばご購入になろうと思われますか?」というふうに相手の意思を確認し、次のステップに移るかどうかの様子を見ます。
ポイント2 急ぎすぎない
結論を出すまでに無意味に時間がかかってしまうと失注につながるもとですが、急ぎすぎたクロージングも良くありません。まだ相手が腹落ちしていない状態でクロージングを行ってしまうと、「押し売り」のように感じられてしまいます。クロージングを行うのは、あくまでも相手の不安が解消されてからです。
アフターフォローのポイント
商談を行った後には、アフターフォローとしてお礼メールを送ります。商談の結果がどうであったかは別として、時間を割いてくださったことについて感謝の気持ちを伝えます。
また、商談が複数回にわたる場合には、次回の商談までに回答すべきことがらがある場合は、いつまでにどうやって回答するかも明示しておきます。
ポイント1 訪問後、すぐに送る
アフターフォローのメールは、訪問したその日に送るようにします。もしも帰社時間が遅くなり、送信が深夜になりそうな場合は、翌朝、早朝の時間帯を避けて午前中のなるべく早い時間に送るようにします。
今後もお付き合いが続いていく相手であるため、相手に対応が早い良い印象を持ってもらうことが大切です。
ポイント2 件名は分かりやすく
相手が初対面であった場合、誰からメールが届いたのか分からない可能性があります。誰からのメールか分からず読まれないままになってしまうことの無いよう、メールの件名は分かりやすいものにし、件名の中に自社名と自分の苗字も入れるようにします。
商談を成功させるには
最後に商談を成功させるためのポイントをご紹介いたします。
ポイント1 商談のロールプレイングを行う
商談前に、営業の経験が豊富な先輩社員に手伝ってもらいロールプレイングを行うと、自分の商談に足りていない部分や改善点を見つけることができます。誰かに相手役をやってもらうことで、自分一人では想定できなかった質問などへの対応の練習にもなります。
ポイント2 自社の商品と競合の商品のことをよく知っておく
商談では自社の商品・サービスで相手の困りごとや課題をどうやって解決できるかをいかにアピールできるかが大切です。商品の機能や特徴の他にも、今まで他の顧客の課題をどのように解決してきたのかなど、様々な強みを説明できるように自社商品の知識を多く身につけておくことが大切です。
また、商談相手は競合他社との比較を既に行っている可能性もあります。競合の商品の知識も身につけておき、競合と比べて自社の商品がどのような点で優位であるかまで説明できれば、説得力がさらに増します。
商談は商談相手の抱える課題を明確にした上で、解決策として自社商品・サービスを提案し、購入・契約に結びつける目的を持って行われるものです。商談には決まった流れがあり、その流れに沿って話を進めることで、スムーズに進行していきます。
商談の基本的な流れやポイントを理解し、より良い商談を行っていきましょう。